海外におけるタトゥーカルチャーでは、一部の図柄が刑務所内の隠語(プリズンタトゥー)や犯罪組織(ギャングスタ・カルテル)の認識票として機能しています。知らずに身体へ刻んで欧米や中南米へ渡航した場合、現地の法執行機関から警戒対象に指定されたり、対立組織から問答無用で襲撃対象と誤認されたりする現実的なリスクを伴います。
その代表格が、目尻に彫られる涙(ティアドロップ・タトゥー)です。このモチーフは国際的な裏社会において極めて重い意味を持っています。
- 輪郭のみの涙:服役中に親族や仲間を失った哀悼、または未遂の復讐
- 黒く塗りつぶされた涙:殺人を犯した証明(涙の数が殺害人数を示すケースも存在)
- 特定の刑務所文化:刑務所内で他の受刑者の支配下に置かれ、屈辱を受けた烙印
日本国内でサブカルチャー的な感覚で目元に涙を彫った若者が、アメリカ入国審査時に別室送りとなり、厳重な身元調査を受ける事例が実際に報告されています。
また、肘や肩によく見られるクモの巣(エルボー・スパイダーウェブ)も注意が必要です。元来は「刑務所の格子に囚われ、長い年月を無為に過ごした時間」を表すプリズンタトゥーであり、欧米では白人至上主義グループ(ネオナチなど)が特定の暴力行為を達成した記念として刻むシンボルとしても悪用されてきました。現在ではストリートカルチャーとして定着しつつあるものの、渡航先の地域や治安情勢によっては深刻なトラブルの引き金になり得ます。