「直径が同じ26.5mmなら、どの自動販売機でも問題なく使えるはず」と思われがちですが、実際には現在でも一部の自販機や路線バスの運賃箱で新500円玉が返却口に戻ってくる現象が発生しています。
自販機で弾かれてしまう理由は、コイン投入口のサイズではなく、内部に搭載された「コインセレクター(識別センサー)」の判定基準にあります。自動販売機の識別ユニットは、投入された硬貨に対して主に以下の3点を瞬時に測定しています。
1. 通過速度と寸法(センサーによる外径・厚みの測定)
2. 重量(重量検知センサーによる測定)
3. 電磁気特性(磁気センサーで金属の組成・電気伝導率を計測)
旧硬貨(7.0g)と新硬貨(7.1g)では0.1gの重量差があるうえ、中心と外周で異なる金属を使っているため、磁気をあてたときの反応が全く異なります。識別プログラムが未更新の旧式自販機では、これらを「規格外の異物・偽造硬貨」と判定して自動的に排出してしまう仕組みです。
大手飲料メーカーの自販機や駅の券売機では順次改修が進んだものの、1台あたり数万円から十数万円かかるセンサーユニットの交換費用がネックとなり、個人経営の店舗前自販機や地方のコインランドリー、駐車場精算機などでは現在も未対応機が残存しています。