天日干しした布団を勢いよく叩くと、白い煙のようなホコリが舞い上がり、いかにも綺麗になったような爽快感を覚えるかもしれません。しかし、この行為こそが布団たたきが逆効果となる最大の理由です。舞い上がっている煙の正体は、蓄積したホコリだけでなく、叩かれた衝撃で引きちぎられた布団の繊維そのものなのです。
さらに深刻なのが布団たたきによるダニ退治の誤解です。生きたダニは繊維の奥深くに鋭いツメで強くしがみついているため、外側からいくら叩いても振り落とすことはできません。それどころか、強い打撃によって内部のダニの死骸や糞が細かく粉砕され、粒子が1〜2マイクロメートル以下のアレルゲンへと変化します。細かく砕かれたアレルゲンは側生地の織り目をすり抜けて布団の表面へと浮き上がり、就寝時に人が最も吸い込みやすい最悪の環境を作り出してしまいます。
加えて、激しい衝撃は布団の中綿と側生地へのダメージを急速に進行させます。綿の繊維が断裂して弾力性が失われ、布団の保温力やかさ高が損なわれるだけでなく、側生地が摩耗して破れの原因にも直結します。清潔にするつもりが、自ら寝具の寿命を縮め、アレルギーリスクを高めているのが実態です。