来るきっと来る 空耳 理由を認知心理学の観点から分析すると、人間が不完全な音声情報を既知の文脈に合わせて補正する「マガーク効果」や「知覚的補完」が完璧に働いた事例といえます。
映画『リング』は、「呪いのビデオを見た者は7日後に死ぬ」というタイムリミットサスペンスです。観客は鑑賞中、常に「いつ貞子が来るのか」「その時がやって来る」という強烈な予期不安に晒されています。この極限状態の心理的プライミング(事前刺激による認知の誘導)がかかった状態で「Feels like 'HEAVEN'」を聴いた結果、脳が最も恐れていた単語「来る」へと音声を自動修正してしまったのです。
さらに、当時のテレビバラエティ番組やモノマネ番組が「貞子のモノマネ=井戸から這い出ながら『来る〜きっと来る〜』と歌う」というフォーマットを量産したことで、映画本編を観ていない層にまでパブリックイメージが浸透していきました。