洋食の基本にして最大の完成度を誇るのが、「ケチャップ」「ウスターソース」「有塩バター」の組み合わせです。市販のデミグラス缶を開けることなく、深みのある艶やかなソースを仕立てるための黄金比率は極めてシンプルに設計されています。
【基本の黄金比(2人前)】
・ケチャップ:大さじ2
・ウスターソース(または中濃ソース):大さじ2
・有塩バター:10g
・酒(または赤ワイン):大さじ1
・フライパンに残った肉汁:全量(余分な油は調整)
調理の成否を分けるのは、肉を焼き終えた直後のフライパンの扱い方です。ハンバーグを取り出したフライパンの底には、肉から溶け出した脂だけでなく、タンパク質と糖が加熱されてメイラード反応を起こした「旨味の焦げ付き」が付着しています。フランス料理でデグラッセ(Deglacé)と呼ばれるこの工程こそが、市販のソースでは出せない天然のブイヨンとなります。
フライパンに溜まった透明な余分な油だけをペーパータオルで軽く吸い取り、旨味の茶色い濁り(肉汁)を残した状態で酒を投入します。中火で底を木べらなどでこそぎ落としながらアルコールを飛ばし、ケチャップとウスターソースを加えて弱火で軽く煮詰めます。最後に火を止め、冷たい角切りバターを余熱で溶かし込むことで、ソース全体にとろみと艶を与える「モンテ・オ・ブール」が完成します。