従来の経済活動を「製造・消費」を担う動脈とするなら、使用済み製品や廃棄物を回収・再資源化する役割を担うのが静脈産業だ。長らく裏方として位置づけられてきたこの分野に、いま最先端のクリーンテックが次々と導入されている。AIを搭載したロボットアームによる超高速のゴミ分別や、化学分解によってプラスチックを原料段階にまで戻すケミカルリサイクル技術の進展は、リサイクル現場の作業風景を劇的に変えた。
過酷で危険とされた現場イメージは過去のものとなりつつある。最新の静脈産業は高度なデータ解析と自動化プラントを備えた「ハイテク資源工場」へと変貌を遂げた。動脈企業が製造段階からリサイクルしやすさを設計に組み込む「エコデザイン」を導入し始めたことも相まって、動脈と静脈が一体となったシームレスな産業構造の形成が進んでいる。