強烈なアクションスターとしてのイメージを自ら打破し、映画表現の新たな扉を開いたのが、森田芳光監督の『家族ゲーム』である。ここで見せた奇妙な家庭教師・吉本役の演技は、当時の映画界に激震を与えた。
従来の拳や銃砲に頼るハードボイルド像を完全に脱ぎ捨て、淡々と食卓を囲みながら異様な威圧感を放つ不条理な存在感。横一列に並んで食事をとる伝説的な食卓シーンなど、型破りな演出に見事に応えてみせた。
この作品での異彩あふれる演技は、単なるアクション俳優にとどまらない底知れぬ表現力を証明し、80年代の日本映画業界におけるニューウェーブの台頭を決定づける歴史的一歩となった。