数々のデメリットが指摘されながらも回転式チェアが根強い支持を得ている背景には、固定脚チェアにはない圧倒的な機能的価値があります。最大の利点は、椅子を後ろに引かずに身体の向きを変えるだけで立ち座りが完了する点です。
日本の住宅事情において、ダイニングと壁やキッチンカウンターの間の通路幅は70〜80cm程度しか確保できないケースが多々あります。通常の椅子であれば後ろへ50cmほど引くスペースが必要ですが、回転チェアならわずか数十センチの隙間があればスムーズに出入りできます。回転式ダイニングテーブルセットを限られた間取りに配置する場合、生活動線を塞がない恩恵は計り知れません。
とりわけ、膝や腰に不安を抱えるシニア世代にとって、ダイニングチェアの回転による立ち座り支援(高齢者向け配慮)は生活の質を左右します。椅子を引く・戻すという腕力と体幹を要する動作が不要になり、肘付きの回転ダイニングチェアであれば肘掛けにしっかり体重を預けて立ち上がることが可能です。介護現場やバリアフリー住宅のリフォーム現場でも、安全性を高める設備として高く評価されています。
近年は機能性だけでなく、意匠面でも長足の進歩を遂げています。従来のオフィスチェア然とした無骨な外見から脱却し、天然木オーク材やウォールナット材を贅沢に用いた回転式ダイニングチェアの北欧デザインや、上質なファブリック・PUレザーを纏ったおしゃれな肘付きモデルが多数登場し、リビングダイニングの主役として選ばれるケースが増えています。