「あ、気づきませんでした」。万引きGメンや店舗スタッフが声をかけた際、最も多く返ってくるのがこの言葉だ。バーコードを通さずにマイバッグへ滑り込ませる、あるいは高額な商品のバーコードの上に安い商品のバーコードを貼り付けてスキャンする。こうした手口は、従来の「隠して持ち去る」万引きとは異なり、一見すると「操作ミス」に見えるため、現場での現行犯逮捕を極めて難しくしている。
ある大手スーパーの店長は、「明らかに故意だと分かっていても、お客様から『操作方法が分からなかった』と言い張られると、それ以上の追及が難しい」と肩を落とす。性善説に基づいたシステムは、いまや限界を迎えているのだ。