布を裁断して立体を縫い上げる——そんな服作りの固定観念を根底から覆したのが、世界的デザイナーの三宅一生(Issey Miyake)率いるクリエイティブチームだった。2000年に「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のアクセサリーラインとして産声を上げたこのプロダクトは、「偶然によって生まれるかたち」を追求する実験から誕生した。硬質な樹脂ピースと柔らかいメッシュ生地の組み合わせ。一見すると相反する素材が融合することで、変幻自在の構造が立ち現れる。
この革新性は瞬く間に世界で絶賛され、2010年には独立したブランド「BAO BAO ISSEY MIYAKE」へと発展。日本の優れたデザインに贈られるグッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン史に確固たる足跡を残した。単なる流行の消費サイクルに組み込まれず、工芸と工業技術が交差するアパレル産業の金字塔として評価されている。