「オフィスにいるだけで、なぜこれほど肌が乾くのか」。その答えは、室内環境の制度的・構造的な問題に潜んでいる。実は厚生労働省が定める事務所衛生基準規則において、室内の空気調和設備に関する基準として「相対湿度40%以上70%以下」に保つよう努めることが明記されている。しかし、大規模なビル空調ではフロア全体の温度優先制御が行われるケースが多く、個別の湿度維持が後回しにされがちだ。
企業における労働衛生管理の観点からも、空気の乾燥は単なる「不快感」にとどまらず、作業効率の低下や風邪・インフルエンザなどのウイルス感染リスクを引き起こす要因として重く受け止められるようになっている。これまで温度管理に偏重しがちだったオフィスビル管理業界においても、最新の自動加湿システムやフロアごとの湿度センシング技術を導入する動きが急速に広がってきた。