紀里谷和明氏との出会いは、2001年にリリースされた宇多田ヒカルのシングル『FINAL DISTANCE』のCDジャケット撮影およびミュージックビデオ制作でした。その後も『traveling』や『光』など、彼女の代表作となる革新的なMVを手掛けたことで二人の距離は急速に縮まり、出会いから約1年半で婚姻届を提出するに至ります。
しかし、結婚生活は約4年半でピリオドを打つことになりました。2007年3月に発表された離婚の背景には、激しい創作意欲を持つトップアーティスト同士ならではの価値観のズレとコミュニケーションのすれ違いが存在していました。
当時、紀里谷氏は映画監督としてのキャリアを本格化させ、映画『CASSHERN』の制作などに没頭。一方の宇多田ヒカルも世界的な音楽制作に追われており、互いに孤独を分かち合えない時間が増加していきました。後に紀里谷氏はメディアの取材に対し、「彼女が若すぎた」「自分が未熟で彼女の孤独を受け止めきれなかった」と率直に語っています。泥沼の愛憎劇ではなく、互いの才能を認め合いながらも生活者として共鳴し続けることの難しさが招いた破局でした。