桑野が告げられた確定診断は、大腸の中でも肛門に近い部位にできる直腸がん(ステージ3b)でした。がん細胞はすでに腸壁を深く突き破り、周辺のリンパ節にまで複数転移している極めて危険な状態でした。
2026年2月、病巣を根絶するために執刀された手術は、実に14時間にも及ぶ壮絶なものとなりました。直腸と転移の見られたリンパ節を広範囲に郭清(切除)する大手術であり、術後の排泄機能を守るため、一時的なストーマ(人工肛門)を腹部に造設することが余儀なくされました。
ストーマの装着は、肉体的な負担だけでなく、タレント・音楽家としてのプライドや精神面にも大きな影を落とします。便意を自分でコントロールできない現実やパウチの交換、漏れの恐怖に苛まれながらも、桑野は自身の公式ブログでストーマを着けた生活を包み隠さず発信し続けました。「同じ境遇で苦しむ人たちの力になりたい」という強い思いが、自らを奮い立たせる原動力となっていたのです。その後、術後の経過が順調であったことから、同年7月にはストーマ閉鎖手術を受け、自力排泄を取り戻すリハビリへと駒を進めました。