一方で、激しい非難の矢面に立たされた塩谷瞬の歩みは、対照的かつ泥臭いものだった。主要なテレビ番組や映画からの降板を余儀なくされ、一時は芸能界引退も囁かれた彼だが、決して表現することを諦めなかった。彼が選んだのは、主流メディアから距離を置き、舞台演劇や海外でのボランティア活動、そして自主制作映画への参画という地道な道だった。
世界中を旅し、震災被災地での支援活動を続ける中で、塩谷はかつての「軽薄なイケメン俳優」というレッテルを剥がし落としていった。スクリーンの中の華やかさではなく、泥にまみれながら他者と向き合う姿に、かつて彼を叩いた人々も徐々に沈黙していった。主流の芸能界からは遠ざかったかもしれないが、彼が手に入れたのは、誰にも縛られない表現者としての自由だったのだ。