五輪久保りんごをカットした瞬間、誰もがその断面に驚かされます。中心部から放射状に広がる、透き通った黄金色の「蜜」です。
この蜜の正体は「ソルビトール」と呼ばれる糖アルコールの一種です。葉で作られたソルビトールは、果実へ運ばれて果糖やブドウ糖に変換されます。しかし、樹上で完熟を迎えると果実が糖分でいっぱいになり、変換しきれなくなったソルビトールが細胞の隙間に水分の形で溢れ出します。これが光に透けて蜜のように見えているのです。
一般的なりんごの糖度が12〜13度程度であるのに対し、五輪久保のサンふじは14〜16度以上に達することも珍しくありません。単に甘いだけではなく、適度な有機酸(酸味)が残っているため、濃厚でありながら後味が非常に爽やかです。果肉の細胞がキュッと引き締まっているため、噛んだ瞬間に弾けるようなシャキシャキ感と溢れ出る果汁を楽しめます。