仮に室温超伝導体が発見されたとしても、すぐに社会実装できるわけではない。いくつかの大きなハードルがある。
コストと製造の課題
現在の高温超伝導体(例:YBa₂Cu₃O₇)は、セラミックス材料であり、脆くて加工が難しい。また、希土類元素を含むため、原料コストが高い。室温超伝導体が仮に鉛や銅を主成分とするとしても、純度や結晶構造の制御が難しく、大規模生産には時間がかかる。
臨界電流と磁場の問題
超伝導体には、流せる電流の上限(臨界電流密度)と、印加できる磁場の上限(臨界磁場)がある。これらが低いと、強力な電磁石や送電ケーブルには使えない。LK-99でも、この点が疑問視された。
安定性と信頼性
実用化には、長期間にわたって安定して超伝導状態を維持できることが求められる。温度や圧力の変動、経年劣化に対する耐性も重要だ。研究段階では数日間の測定で済むが、実際の製品では何年もの信頼性が必要になる。