オオゲツヒメの山漫画において、山は単なる背景ではない。それは、女神の力が最も強く発揮される聖地であり、同時に人間の欲望や恐怖が具現化する魔境でもある。
神話において、オオゲツヒメは特定の山に祀られているわけではない。しかし、彼女の死体から生まれた五穀は、山間部の焼畑農業や里山の恵みと結びつきやすい。また、山は「異界」と「現世」の境界線であり、女神がもたらす「豊穣」と「死」の両面を描くには最適の舞台だ。
漫画作品では、この山が持つ二面性がしばしば強調される。美しい景観と同時に、迷い込んだ者を決して帰さない恐ろしい罠。そこにオオゲツヒメの神話的要素が加わることで、読者は「この山で何が起きているのか」「女神の真意は何か」という謎解きに引き込まれる。