1990年代半ば、お茶の間のテレビ画面は連日のように特定のカップルの話題で埋め尽くされていた。稀代のプレイボーイとして浮名を流していたアパレル経営者兼タレントの男と、カリスマ的な人気を誇っていたファッションモデルの女性。二人が恋に落ちた瞬間から、メディアの過剰な狂騒曲が始まった。
特にフジテレビをはじめとする各局の情報番組やワイドショーは、朝から夕方まで二人のデート現場や会見の模様を連日生中継した。ペアルックでの会見、ヌード写真集の出版、さらには沖縄での挙式構想まで、提供される話題はどれも破格のインパクトを持ち、日本中の視聴者がその展開から目を離せなくなったのである。
しかし、華やかなスポットライトの裏には、最初から暗い影がつきまとっていた。数億円規模にのぼる巨額の借金トラブルと、それに伴う怪しい金銭問題の噂だ。華やかなエンターテインメントの表舞台と、きな臭い闇のビジネスが交錯する中で、二人の関係は常に危うい均衡の上に成り立っていた。