この小さな測定器の背景には、株式会社大創産業の徹底したコスト破壊と商品開発への執念がある。創業者の矢野博丈氏が築き上げた「良いものを限界まで安く提供し、客を驚かせる」という哲学は、今なお棚に並ぶバッテリーチェッカーの設計思想に息づいている。かつて秋葉原の電子部品店で千円以上出さなければ買えなかったツールが、今や誰でもワンコインで手に入る時代になった。
100円ショップの電気小物は長年「壊れやすい」「精度が低い」と揶揄されることもあった。しかし、基板設計の見直しや金型の改良を重ね、現在流通しているモデルは内部の接触金具の剛性も格段に向上している。測定時に電池自体の微弱な電力を利用してメーターを駆動させるため、チェッカー本体に駆動用電池が不要という省エネ設計も、大創産業らしい合理性の賜物だ。