1996年、日本の音楽産業が黄金期を迎えていた時代。沖縄アクターズスクール出身の少女たちで結成されたSPEEDは、爆発的なダンスパフォーマンスと圧倒的な歌唱力で市場を席巻した。中でも上原多香子の存在感は異彩を放っていた。メインボーカルを務めた今井絵理子や島袋寛子とはまた異なる、ビジュアル面での圧倒的アイコン性。当時中学生だったとは信じがたい整った容姿、スリムでしなやかなスタイル。シングル『Body & Soul』でトイズファクトリーから鮮烈なメジャーデビューを果たした瞬間から、彼女は時代の顔となった。
ライジングプロダクションの手掛けたプロデュース戦略も凄まじかった。過密なスケジュールの中で魅せるクールな眼差しと、ふとした瞬間に出るあどけない笑顔。そのギャップが日本中の若者を熱狂させた。J-POPシーンにおいて、正統派の圧倒的美貌を持ちながら本格派ダンスユニットに所属するスタイルは、後続のアイドルたちに計り知れない影響を与えた。