力士の身体づくりにおいて「食」は稽古と同じくらい重要な要素だ。かつての大相撲では「とにかく量を食べて太る」ことが正義とされた時代もあったが、二所ノ関部屋ではその常識が完全にアップデートされている。
栄養学の専門家やスポーツドクターと連携しながら、力士一人ひとりの体質や代謝に合わせた献立を監修しているのが女将だ。高タンパク・低脂質の食材選びはもちろんのこと、ハードな稽古で疲弊した内臓に負担をかけない調理法の工夫、さらにはリカバリーを早めるための食事タイミングの計算まで、極めて科学的なアプローチが徹底されている。大の里をはじめとする関取陣が、場所中もスタミナを切らさずに土俵に上がり続けられる背景には、毎日の食卓に込められた女将の執念とも言える情熱が存在する。