フリマアプリ「メルカリ」や「ヤフオク!」の取引履歴を調査すると、令和3年の旧500円玉が1枚600円〜1,200円、銀行ロール(50枚入り未開封束)に至っては35,000円〜45,000円という驚くべき価格で売買されているケースが散見されます。
ネット上で「令和3年の500円玉はなぜ高いのか」と盛んに囁かれる背景には、主に3つの力学が働いています。
ひとつ目は、「ラストイヤー(最終年号)プレミアム」です。貨幣収集の世界では「最初の年(初年号)」と「最後の年(最終年号)」に極端な人気が集まります。2000年(平成12年)から21年間にわたり日本の経済を支えたニッケル黄銅貨の終焉を記念し、手元に残しておきたいという一般層とコレクターの需要が合致しました。
ふたつ目は、フリマ経済圏における「手軽なコレクション売買」の定着です。メルカリ等のプラットフォームでは、現金そのものの出品は規約違反となりますが、現行の流通貨であっても「コレクション用」「貨幣セット」のカテゴリにおいて適正な範囲内で取引されています。出品者は送料や販売手数料(10%)を差し引くと数十円〜数百円の微々たる利益しか得られない構造ですが、「銀行で両替して持っているだけで利益が出る」と誤認したライト層の参入が価格の高止まりを後押ししました。
ただし、専門の古銭買取業者に持ち込んだ場合、流通キズのある並品は「額面通りのお預かり」となることが一般的です。買取業者が数十%の手数料を上乗せして顧客へ転売するには、指紋すら付着していない「完全未使用状態(UNC)」であることが絶対条件となります。