民放ドラマ以上に芸人のキャスティングに積極的なのが、NHKの朝ドラや大河ドラマです。お笑い芸人の朝ドラ出演歴を振り返ると、主人公の父親や頑固な職人、物語の転換点となる旅人など、視聴者の記憶に強く残る名キャラクターの多くを芸人が演じてきました。大河ドラマのキャスティングにおいても、重厚な歴史劇の中で物語の緩急を司る狂言回しや、一筋縄ではいかない戦国武将役に芸人が選ばれ、高い評価を得ています。
時代劇や歴史大作において、重苦しい空気感を一瞬で和らげつつ、人間味のある泥臭さを表現できる俳優は決して多くありません。落語や漫才、コントを通じて大衆心理の機微を熟知している芸人は、老若男女が視聴する国民的ドラマの現場において、脚本家の意図を的確に具現化する信頼の厚いバイプレイヤーとして機能し続けています。