医学的・生理学的な観点からも、この場所の持つポテンシャルは計り知れない。標高1,800メートルという高地環境は、下界に比べて気圧が低く、酸素濃度も約80%程度となる。この微細な環境変化が人体に適度な刺激を与え、心肺機能の活性化や自律神経の整調を促す「気候療法(クアオルト)」の効果をもたらす。
夜になれば、遮るもののない山頂の空に無数の星々が広がる。スマートフォンの画面を閉じ、シンと静まり返った澄んだ空気の中で湯に浸かる時間は、現代人が最も欲していた「静寂」という何よりの贅沢だ。日常のストレスで研ぎ澄まされすぎた脳が、自然の呼吸と同調していく感覚を多くの滞在者が口にする。