テーブルに運ばれてきた瞬間、誰もが思わず声をあげる。大きな竹籠のなかで、まるで蜂の巣のように美しく並んだ円筒状の麺。山西省の伝統的なカラスムギ(エンバク)料理「莜麺栲栳栳(ヨウミエン・カオラオラオ)」だ。
手のひらで生地を薄く伸ばし、指先でクルッと丸めて立てる。気の遠くなるような手作業を経て完成するこの一品は、蒸気で蒸し上げられることで独特のシコシコとした強いコシが生まれる。黒酢ベースの濃厚なタレや、トマトと玉子の酸味の効いたソースをたっぷり絡めて口へ運ぶ。噛めば噛むほど素朴な穀物の甘みが滲み出て、他では絶対に味わえない独特の満足感に包まれる。