アニゲー研究を語る上で避けて通れないのが、1980年代から2000年代にかけて構築された日本のメディア論的アプローチである。中でも大塚英志による「物語消費論」と、東浩紀による「データベース消費論」は、世界的にも高く評価されている。
「データベース消費」が予測したコンテンツの未来
東浩紀は著書『動物化するポストモダン』において、オタクたちが作品全体の背景にある「大きな物語(世界観)」を消費するのではなく、キャラクターの要素(猫耳、ツンデレ、特定の発声パターンなど)に分解された「データベース」から情報を引き出し、二次創作を行う構造を指摘した。
この指摘は、SNS時代におけるショート動画やAI画像生成の普及を驚くべき精度で予見していた。現代のアニゲー研究者たちは、このデータベース的消費が生成AI時代にどのように拡張されるのかを再検証している。