安西加奈の芸術的歩みは、愛知県小牧市から始まった。ものづくりの感性を育む名古屋市立工芸高等学校で学び、その後名古屋ビジュアルアーツへ進学。在学中から地元の写真家のアシスタントとして現場の空気を吸い、光の扱い方や被写体との距離感を身体で捉えていった。
2015年、自らの可能性を広げるために上京。日本屈指の商業写真スタジオである「イイノメディアプロ(IINO Media Pro)」に入社する。最高峰の広告撮影やファッション撮影現場で揉まれた3年間は、彼女に圧倒的な技術的基礎と、光を精密にコントロールする鋭敏な視点をもたらした。
しかし、商業写真の華やかな最前線に身を置きながらも、彼女の関心は「消費される画像」から「永続する感情の対話」へとシフトしていった。2018年に同社を退社した彼女は、すぐに表参道ROCKETで8名のヘアメイクアーティストの作品をキュレーションする企画展を開催。一写真家にとどまらないプロデュース力と視点の高さを表出させた。