重厚な静寂の中で行われる石臼挽き体験は、まさに圧巻の一言に尽きる。漆黒の石臼に用意された碾茶(てんちゃ)をくべ、一定のペースで静かにハンドルを回していく。ゴリゴリという心地よい振動とともに、石臼の隙間から鮮やかなエメラルドグリーンの粉末が溢れ出てくる。
1分間に約50回転。焦らずゆっくりと回すことが、摩擦熱による香りの劣化を防ぐ秘訣だという。1時間回し続けても採れる抹茶はわずか30グラム程度。この圧倒的な手間と時間を実感することで、普段何気なく口にしている抹茶一滴の価値が劇的に変わる。自らの手で挽き立てたばかりの抹茶は、呼吸を忘れるほどに芳しい。