今回の取り組みは、転換期を迎えているテレビ放送業界に対しても極めて重要な示唆を与えた。高騰を続ける海外スポーツの放映権を巡っては、有料動画配信サービスへの完全移行が進む傾向にあったが、地上波の生放送が持つ圧倒的な拡散力と国民的イベント化のパワーを改めて実証したからだ。
フジテレビは地上波の無料放送で巨大なマスに火をつけ、その熱量をTVerやFODのアーカイブ視聴へと還流させるハイブリッドモデルを確立した。放送と通信を対立軸として捉えるのではなく、互いの強みを掛け合わせることでコンテンツ価値を最大化する手法は、今後の大型スポーツビジネスにおけるひとつの完成形を示している。