バブル期のスラングとして誕生した言葉が、なぜ何十年にもわたって幅広い世代の記憶に刻まれることになったのでしょうか。その決定的な契機となった元ネタが、しげの秀一氏による大ヒット走り屋漫画『頭文字D(イニシャルD)』です。
作中に登場するライバルチーム「赤城レッドサンズ」のナンバー2であり、屈指の人気キャラクターである高橋啓介(たかはし けいすけ)が、主人公の藤原拓海や他の走り屋たちを見下す際、あるいは自身の美学を語る場面で「オレの辞書にはアウト・オブ・眼中だぜ!」といった趣のセリフを放ちました。この強烈な言い回しがファンの間で大ウケし、作品を象徴するキラーフレーズとなったのです。
当時のアニメ化やゲームセンターのアーケードゲーム(『頭文字D ARCADE STAGE』シリーズ)の普及に伴い、アニメファンやゲーマー、自動車好きの若者たちの間で「高橋啓介の代名詞」として急速にミーム化しました。もともとの発生源はバブル期の若者言葉でしたが、全国的なサブカルチャー用語として不動の地位を築いた最大の功労者は『頭文字D』と高橋啓介のキャラクター性であったと言えます。