この物語の原点は、漫画家・ヤマジエビネが世に放った作品だ。単なるSFの枠組みに留まらず、人間の生と死の尊厳を極限まで見つめ直した群像劇であり、漫画業界においても唯一無二の金字塔として語り継がれている。
かつて文化や思想の最前線を提示してきた青土社の思想的文脈にも通じるような重厚な哲学性を宿した『尊厳維持局(作品』は、発表当時からコアな読者の心を掴んで離さなかった。安易な感動に流されず、死を職務として遂行する主人公たちの淡々とした日常と苦悩。その洗練された筆致は、ディストピアSFの金字塔として今なお強い光を放っている。