鳥を飼っていないからといって安心はできない。呼吸器内科学の知見が蓄積されるにつれ、ペット飼育者以上に多くの潜在患者を生み出している元凶として「ダウンジャケット」や「羽毛布団」が浮き彫りになってきた。
相模原病院などで長年アレルギー・呼吸器疾患の病態解明に取り組んできた谷口正実医師ら専門医グループは、原因不明の特発性肺線維症と診断されていた患者の中に、相当数の羽毛肺(羽毛布団による過敏性肺炎)が含まれている実態を早くから指摘してきた。微小な羽毛の破片はシーツの繊維の隙間をすり抜け、睡眠中の呼吸を通じて肺の最深部へと到達する。長年愛用して古くなった寝具ほど粉塵が漏れ出しやすく、知らぬ間に抗原を吸い込み続ける温床となる。
都会のマンション暮らしでペット禁止の環境に住む人が、原因不明の間質性肺炎に苦しんだ末、寝具をポリエステル製に変えただけで劇的に回復した例は枚挙にいとまがない。