連続テレビ小説『あまちゃん』でのブレイクは、彼女にとって祝福であると同時に、あまりにも巨大な看板となった。しかし、彼女は「あきちゃん」というイメージに甘んじることなく、インディペンデント映画や声優仕事、自作映画の監督に至るまで、泥臭いまでの表現の探求を続けた。
その到達点の一つが、映画『さかなのこ』で見せた圧巻のパフォーマンスだ。性別や固定観念を飛び越え、ただ魚を愛し続ける主人公を等身大で演じ切った姿は、国内外の映画賞や批評家から絶賛を浴びた。青春コメディの軽やかさを保ちつつ、人間の孤独や情熱を淡々と描き出すそのスタイルは、まさに彼女だからこそ到達できた唯一無二の領域と言えるだろう。