町田啓太の名が全国的なお茶の間に広く浸透した決定的な契機といえば、2014年放送の連続テレビ小説『花子とアン』です。ヒロイン・花子の夫となる村岡英治の弟・村岡郁弥役を演じた町田は、イギリス帰りの洗練された洋装紳士として登場。都会的でスマートな物腰と、どこか儚さを帯びた爽やかな微笑みは、当時の視聴者の心を瞬く間に掴みました。
関東大震災の混乱の中で命を落とす悲劇的な最期は、多くのファンに「郁弥ロス」を巻き起こすほどの強いインパクトを残しました。この作品で発揮された「クラシカルな世界観に自然と溶け込む天性の品格」は、その後のNHK作品への連続起用を決定づける原点となります。
続いて2015年のドラマ10『美女と男子』では、仲間由紀恵演じる主人公のマネージャーにスカウトされ、過酷な芸能界でスターダムを駆け上がっていく新人俳優・向坂遼役を熱演。約半年に及ぶ長丁場のドラマの中で、生意気な青年が真の役者へと成長していく過程を泥臭くも情感豊かに演じきり、役者としての骨太なポテンシャルを証明しました。