トヨタ自動車において「花形」と呼ばれる部署は、文系・理系それぞれのキャリアトラックによって明確に分かれています。単に知名度が高いだけでなく、経営陣への発言力、予算規模、そして歴代役員の輩出数において他部門を圧倒しているのが特徴です。
理系・技術系における絶対的な頂点は、長年にわたりクルマ開発センター(旧車両開発本部)が担ってきました。車種ごとの開発責任者であるチーフエンジニア(CE)制度はトヨタ独自の権力構造であり、「一国一城の主」として莫大な権限と責任を背負います。歴代社長をはじめとする多くの役員がこの開発畑を経験しており、エンジニアにとって最高峰のステータスとされています。
一方、文系・事務系で最強の権力を持つのが経営企画部です。豊田章男会長や歴代経営トップの側近として、全社戦略の策定、アライアンス戦略、EVや水素を含むパワートレイン投資の意思決定に直結します。役員経歴を紐解くと、経営企画部や秘書室での勤務経験を持つ人物が極めて高い割合で中枢に食い込んでいます。