福岡・中洲に佇む博多名代 吉塚うなぎ屋が、単なる「地方の老舗」の枠を飛び越えて全国区のレジェンドとなった背景には、明確な歴史的必然とメディアカルチャーの結実があります。もともとは旧吉塚村(現在の福岡市博多区吉塚)で産声を上げ、その後、中洲の博多川沿いへと移転。街の移り変わりを見つめ続けながら、博多商人の舌を鍛え上げてきました。
この名声を決定づけた最大の契機の一つが、博多出身のタレント・タモリ氏による熱烈な賛辞です。テレビ番組の特番やトークバラエティ、雑誌インタビューなどで「全国各地の鰻を食べ歩いたが、吉塚うなぎ屋が一番美味い」と幾度となく公言。単なる義理のお世辞ではなく、皮目の香ばしさと身の締まり、そして甘みとコクが絶妙なタレの完成度を具体的に論評したことで、全国のグルメファンが一斉に中洲へ押し寄せる社会現象を生み出しました。
2026年代以降は、インバウンド観光の急増によりアジア圏、とりわけ韓国のグルメコミュニティやSNSで「福岡旅行で絶対に外せない究極のグルメ(요 시즈카 우나기 야)」としてバイラル化。平日の昼夜を問わず、スーツケースを引いた旅行者から地元の常連客までが入り乱れる異様な熱気は、今や博多の風物詩となっています。