日本史上最悪の野生動物被害として記録される大正時代の「三毛別羆事件」。開拓集落を襲った惨劇の記録は、クマがいかに執着心が強く、一度人間を食料や障害物と認識した際に残虐かつ知的な行動をとり得るかを残酷なまでに物語っている。
一方で、野生動物との「絆」を信じた人間が辿った凄惨な末路を描いたノンフィクション・ドキュメンタリー映画『グリスリー・マン』もまた、現代の私たちに強烈な警告を発する。アラスカの野生ヒグマと長年生活を共にした男の最期を捉えた映像作品は、自然界の過酷さと「動物と心を通わせられる」という人間の過信が招く致命的な悲劇を克明に突きつけていた。