この騒動は年末の「2016ユーキャン新語・流行語大賞」でトップテンに選出され、授賞式に山尾議員が登壇したことでさらなる議論を巻き起こしました。言葉の是非を巡る対立はあったものの、長年にわたり後回しにされてきた待機児童問題が、一過性のニュースではなく国家の最優先アジェンダへと押し上げられた意義は極めて大きいものでした。
政府はその後、「子育て安心プラン」を策定して約32万人分の受け皿確保を急ぎ、2019年10月には幼児教育・保育の無償化(3〜5歳児の全世帯、0〜2歳児の住民税非課税世帯)をスタートさせました。さらに2026年にはこども家庭庁が発足し、2026年現在では未就学児が保育園を利用していなくても月一定時間預けられる「こども誰でも通園制度」の全国展開や、76年ぶりとなる保育士配置基準の抜本的見直し(4〜5歳児の「30対1」から「25対1」への改善、1歳児の「6対1」から「5対1」への改善)が進められています。
10年間の変遷を客観的な指標で比較すると、社会インフラとしての保育環境は数字の上で劇的な変化を遂げています。