かつて日本テレビ系『スーパージョッキー』などで命がけの過激ロケをこなしていた井手らっきょですが、現在の主戦場は生まれ故郷である熊本県です。2018年4月、タレント活動の拠点を東京から熊本へ移した背景には、高齢となった実母の介護や、自身を育ててくれた地元への恩返しという明確な動機がありました。
所属事務所である株式会社TAP(旧オフィス北野)に籍を残したまま、地元メディアではローカルタレントとして情報番組やラジオ、イベント司会などを精力的にこなしています。しかし、彼の現在の活動を語る上で欠かせないのが「実業家」としての顔です。
熊本市中央区の繁華街で自らプロデュースを手掛けたダーツバー「BAR らっきょの小部屋」は、看板タレントである本人が自らカウンターに立ち、気さくに接客を行う店として地元住民や観光客の間で定着しました。オープン当初こそ「タレントの知名度頼みではないか」と冷ややかに見る向きもありましたが、持ち前の社交性とサービス精神でファンを増やし、地元コミュニティの憩いの場となっています。
さらに注目すべきは、彼が情熱を注ぎ続ける野球教室(ベースボールクリニック)の運営です。学生時代から卓越した俊足と野球センスを誇り、かつてマスターズ甲子園などでも俊足を披露してきた経験を生かし、熊本の小中学生へ向けた技術指導をライフワークとして継続しています。「身体を張る芸人」から「次代を育てる指導者」へ。その転身は、単なるタレントの余生ではなく、地域社会に深く根ざした地に足のついた事業展開といえます。