きゅうりは放置しておくと、主軸となる「親つる」ばかりを果てしなく伸ばし続ける性質を持っている。植物学的には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」と呼ばれる現象で、先端の芽が優先的に栄養を吸い上げてしまうのだ。結果として側枝(子つる・孫つる)の発達が遅れ、花や実をつけるスペースが限られてしまう。
そこで登場するのが摘芯だ。親つるの先端をカットすることで頂芽優勢を打ち消し、脇芽の発生を一気に促す。きゅうりの実は親つるよりも、子つるや孫つるに圧倒的に多くつく特徴がある。つまり、摘芯とは植物の成長エネルギーを「背を伸ばすこと」から「美味しい実をたくさん作ること」へと強制的にシフトさせるスイッチなのだ。