歴史の地層に埋もれかけていたこの重厚なストーリーは、文化庁による日本遺産認定プロジェクト(大山詣り)への採択を契機に、一躍脚光を浴びることとなった。「江の島・大山詣で〜平成の大山詣りでめぐる霊山と海〜」と題されたストーリーは、山から海へと巡る江戸っ子のダイナミックな回遊行動を現代に再定義した。
単なる登山や観光にとどまらず、地域の物語性を深く味わう社寺参詣・巡礼ツーリズムの潮流が加速している。かつての参道沿いに立ち並ぶ御師旅館の歴史的建造物や、代々受け継がれてきた神事芸能の価値が再評価され、知的好奇心を満たす上質な文化体験の場へと昇華しているのだ。