テレビ界における最重要指標の一つである朝ドラの視聴率において、『おむすび』が残した足跡は極めて特徴的な曲線を描きました。ビデオリサーチの関東地区世帯視聴率データによると、2026年9月30日の初回放送は16.8%を記録。前作『虎に翼』の初回16.4%を上回る上々の滑り出しを見せ、橋本環奈というトップスターの求心力を証明しました。
しかし、第2週以降は数字を落とし、週間平均世帯視聴率は13%台から12%台へと軟調に推移しました。前後の朝ドラ作品と比較することで、本作が直面した視聴実態の特殊性が浮き彫りになります。
特筆すべきは、地上波の世帯視聴率が低迷する一方で、NHKプラスにおける見逃し配信の再生回数が歴代上位に位置していた事実です。これは、リアルタイムでテレビをつける高齢者層が離脱した反面、スマホやタブレットでコンテンツを消費する10代〜30代の層がオンデマンドで追尾していたことを示しており、朝ドラの視聴プラットフォームの過渡期を象徴する結果となりました。