かつて桜町にあった旧庁舎の老朽化と耐震性の課題を克服すべく進められた長崎市新庁舎建設プロジェクトは、単なる行政拠点の建て替えにとどまらず、都市構造そのものを再編する契機となった。長崎公会堂の跡地である魚の町へと場所を移したことで、観光名所である眼鏡橋や中通り商店街との回遊性が生まれ、界隈には新たな賑わいが戻りつつある。
尾上町に移転した長崎県庁とともに、行政機能の近代化は長崎市議会でも長年議論の的となってきた。巨大な公共投資に対する費用対効果や、災害時の防災拠点としての機能性など、多角的な視点から検証が重ねられてきた経緯がある。現在の新庁舎は免震構造を備え、非常用発電設備や備蓄倉庫を完備。有事の際における地域の防災司令塔としての役割を強固なものにしている。