愛犬の体に食いついたマダニを発見した瞬間、慌てて指でつまんで引き抜こうとしたり、家庭用の毛抜きで引っ張ったりすることは絶対に避けてください。マダニ無理に取る危険性は獣医学的にも強く警告されています。
マダニは皮膚に咬みついた直後、セメント様物質と呼ばれる強固なタンパク質を分泌して口器(鋸歯状の突起を持つハサミのような器官)を皮膚組織にがっちり固定します。この状態で無理に引っ張ると、マダニの胴体だけがちぎれ、口器(頭部の一部)が愛犬の皮膚内に取り残されてしまいます。
残存した口器は異物肉芽腫と呼ばれる頑固なしこりや重度の化膿性皮膚炎を引き起こし、完治までに切開手術が必要になるケースも珍しくありません。さらに、虫体を指で強く圧迫することでマダニの体内にある病原体混じりの体液が愛犬の血流中へ一気に逆流し、感染症の発症リスクを跳ね上げる結果となります。