地上波テレビアニメとして放送された第1期では、放送コードに配慮した丁寧な演出処理が行われました。原作漫画で赤裸々に描かれていた性器の描写や極端に露出度の高いアングルは、巧妙なカメラワークや湯気、光の反射などによって自然に隠される配慮がなされています。
しかし、劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』において、表現規制をめぐる大きな転換点が訪れました。当初は小学生以下でも鑑賞可能な「PG12」区分での公開が予定されていましたが、映倫(映画倫理機構)による再審査の結果、急遽「R15+(15歳未満の鑑賞禁止)」へと年齢制限が引き上げられる異例の事態となったのです。
年齢制限が引き上げられた主な要因は、黎明卿ボンドルドによる非人道的な人体実験、カートリッジ化された少女プルシュカの生々しい描写、そして激しい戦闘に伴う身体損壊の容赦のなさでした。制作陣が興行的な間口の広さよりも「原作の持つ凄惨な美しさとリアリティを損なわないこと」を選択した結果であり、結果として劇場版はアニメファンから伝説的な大傑作として絶賛されることになりました。