歴史は17世紀のフランスに遡る。ルイ13世に仕えたプレシ=プラグラン公爵(Maréchal du Plessis-Praslin)の料理長クレマン・ラサーニュが、アーモンドに溶かした砂糖を絡めたカリカリの菓子を発明した。公爵の名にちなんで「プララン(Pralin)」と名付けられたこの創作が、現代に続くプラリネの原点とされる。
時を経て、この技術は各国の文化と融合しながら独自に分岐した。現代の洋菓子界において、プラリネは大きく3つのスタイルに分けられる。
第一の系譜は、本家フランスの「プララン/プラリネ・ペースト」。炒ったナッツと砂糖をキャラメリゼし、ローラーで極限まで挽いて滑らかなペースト状(あるいは粒感を残したプラリネ・グレネ)にしたものだ。ケーキのムースやガナッシュのベースとして、プロの職人には欠かせない素材である。
第二は、ベルギーの「プラリネ(Praline)」。1912年、名門「ノイハウス」の2代目ジャン・ノイハウスが発明した、中にクリームやペーストを詰めたシェル型の極上一口サイズチョコレートを指す。ベルギーでは、中身が何であれ、この形態のボンボンショコラ全般をプラリネと呼ぶ。
第三は、アメリカ南部の「ニューオーリンズ・プラリネ(Pecan Praline)」。フランス系移民が伝えた技術が地元の生クリームやバター、ピーカンナッツと結びつき、ファッジのようにホロホロとした独特の平たいキャンディへと進化を遂げた。