彼の名を世に知らしめた金字塔といえば、海洋アクションの金字塔『海猿』シリーズだろう。潜水士たちの命懸けの救助劇において、極限状態を生きる男の覚悟を肉体ごと体現した。CGやギミックに頼らない本物のダイビング技術、過酷な水上訓練を耐え抜いた者にしか宿らない皮膚感覚。それが映像の説得力を底上げしていたことは疑いようがない。
その強靭なリアリズムは、警察ドラマ『S -最後の警官』の現場でも遺憾なく発揮された。特殊部隊の精鋭として銃火器の取り扱いから戦術的な身のこなしまで徹底的に叩き込み、プロフェッショナルの規律を寸分の狂いもなくトレース。単なるアクション映画の派手さではなく、命を預かる者の緊迫した呼吸をスクリーンに刻みつけた。