『Santa Fe』の発売がアナウンスされた日のショックを覚えている世代は多い。大型テレビのニュース、新聞の一面、雑誌の特集――あらゆる情報網がひとつの写真集の存在を巡って激動した。150万部という数値は、現在の出版市場では到底考えられない怪物的な記録だ。
物流網が悲鳴を上げ、全国の書店店頭から一瞬で姿を消した。予約の電話は鳴り止まず、重版に重版を重ねる事態となった。単に売れたという事実以上に、老若男女を問わずあらゆる層が「所有したい」と切望した現象そのものが、昭和から平成へと変貌する日本の過渡期を象徴していた。