「お腹周りを引き締めたいから体幹を鍛える」と語る人は少なくありません。しかし、専門的な解剖学において、体幹とは頭部、腕、脚を除いた胴体全体を意味します。つまり、胸、背中、お腹、腰まわり、そしてお尻まですべてが体幹の一部です。
よく混同される概念に「インナーマッスルとの違い」が挙げられます。インナーマッスルは関節の安定を保つ深層部の筋肉群全般を指す言葉であり、肩や股関節の奥にも存在します。対して体幹は「部位の区分」そのものです。体幹のなかには、体を大きく動かす表層のアウターマッスル(腹直筋や広背筋など)と、骨格を支える深層のインナーマッスル(腹横筋や多裂筋など)の両方が含まれています。
特に体のコア(中心部)を語る上で欠かせないのが、お腹の奥深くで内臓を包み込む「ユニット構造」です。上部の横隔膜、お腹をコルセットのように取り囲む腹横筋、背骨を支える多裂筋、そして底面を支える骨盤底筋群。この4つの筋肉が連動して腹圧を高めることで、人間の体は初めてブレない軸を手に入れます。