こうした医学と法学の複雑な相克は、メディアを通じて一般の知るところとなった。アメリカで制作されたドキュメンタリー映画『The Syndrome』は、従来の一律的な診断基準に疑問を投げかけ、冤罪の可能性や医学的異論を追及した作品として国際的に大きな話題を呼んだ。
また、日本国内においてもNHKスペシャルをはじめとする報道番組や医療ドキュメンタリーの枠組みで、揺さぶられっ子症候群をめぐる裁判の逆転無罪判決や専門家の見解の違いが詳しく取り上げられてきた。Netflixなどの映像配信サービスでも関連するドキュメンタリー作品が視聴できるようになり、専門家だけでなく市民一人ひとりが「科学的客観性とは何か」を考える契機となっている。